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ぱと隊長日誌

ブログ運用もエンジニアとしての生き方も模索中

住宅ローン2年目以降の住宅ローン控除申告(連帯債務や借換えの場合)

小ネタ

はじめに

昨年の年末調整で住宅ローン2年目の住宅ローン控除申告を行ったのですが、「連帯債務かつ借換え」の記入方法が分からず(どちらか一方であれば記入例があるのですが)、かなり苦労しました。
また、連帯債務の「共有持分」と「連帯債務に係るあなたの負担割合」を混同していたために(この2つは異なるものです)、申告書類を訂正することになりました。
この反省を踏まえ、今後申告される方の参考になればと思い、書類の記入方法をまとめました。

ご注意

内容の一部については税務署(電話相談センター)に確認を行っています。確認した点についてはその旨記載しています。
ですが、執筆者(私)は税務に関して素人であり、本エントリの内容が正確であるという保証はできません。税務署(電話相談センター)への確認についても確認した内容を正確に記載するよう努めましたが、その正確さを保証することはできません。
よって、本エントリは参考にとどめ、最終的には税務署もしくは専門家に確認ください。本エントリの内容によって不利益若しくは損害を負った場合でも補償はできません。
また、記載内容にお気づきの点があれば、コメントなどでご連絡いただければ幸いです。

想定ケース

夫婦の連帯債務で住宅ローンを組み、2年目以降に借換えを行った場合の「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の記入方法。
説明では連帯債務のみ、借換えのみのケースについても一部触れています。

本エントリでの説明範囲

本エントリでは想定ケースに基づいて躓きやすいポイントのみ説明します。その他の項目については申請書類に添付された記載例や他サイトを参照ください。
例えば、以下の記事では記載方法を非常にわかりやすく解説しています。以降を読み進める前にぜひご一読ください。
2年目の住宅ローン控除の必要書類と住宅借入金等特別控除申告書の書き方の見本(平成28年版) | 書庫のある家.com

書類の準備

「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」

住宅ローン2年目に税務署から2~10年目分の申請書類をまとめて送られてきたはずです。今年度分を利用ください。
紛失した場合は税務署に再発行を依頼します。

住宅ローンの年末残高等証明書

金融機関によって該当書類の名前が異なります。例えば、フラット35であれば「融資額残高証明書」となります。

住宅ローン初年度の確定申告書(控え)

住宅借入金等の負担割合の確認に必要です。
紛失した場合は「開示請求」もしくは「閲覧請求」という方法があるそうです。
参考:確定申告書の控えを紛失した時の2つの解決方法 | 知らなきゃ損する確定申告

住宅借入金等特別控除申告書の記入方法

①欄「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」

赤枠で囲んだ箇所の記入方法です。
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※この画像は国税庁の以下の資料から記載例を切り出し、加工しています。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2016/pdf/100.pdf

以下の3パターンで年末残高の計算を説明します。

  • 連帯債務のみ(借換え無し)
  • 借換えのみ(連帯債務無し)
  • 連帯債務かつ借換え
連帯債務のみ(借換え無し)の年末残高の計算

国税庁の「パンフレット・手引き」に以下の説明があります。

連帯債務による住宅の取得等のための住宅借入金等の年末残高がある場合には、次の算式により、控除を受ける人が負担すべき部分の年末残高を計算します。

「連帯債務による住宅借入金等の年末残高(円)」
   ×
「控除を受ける人が負担すべき割合(%)」
   =
「連帯債務による住宅借入金等の年末残高のうち控除を受ける人が負担すべき部分の年末残高(円)」

「控除を受ける人が負担すべき割合」については、原則として、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受ける最初の年の確定申告の際に提出した「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる住宅借入金等の年末残高の計算明細書」又は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入した負担割合によります。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2016/pdf/37-51.pdf

例えば、以下の計算となります。
連帯債務による住宅借入金等の年末残高=4,000万円
控除申告者の負担割合=60%
控除申告者の年末残高(①欄)=4,000×60%=2,400万円

ここで注意すべき点は負担割合が共有持分の割合に等しいとは限らないということです。つまり、共有持分が夫婦各々1/2であるからといって、負担割合が1/2となるとは限りません。
ここで用いる負担割合は住宅ローン初年度の確定申告書として提出した「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる住宅借入金等の年末残高の計算明細書」又は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」で確認します。

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」での負担割合の記載個所(連帯債務に係るあなたの負担割合)を赤枠で示します(この例では連帯債務がないため、100.00%となっています)。申告年度によって書式が一部異なりますが、同様の項目があるはずです。
f:id:pato_taityo:20170119212423p:plain
※この画像は国税庁の以下の資料から記載例を切り出し、加工しています。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2014/pdf/10.pdf

借換えのみ(連帯債務無し)の年末残高の計算

国税庁の「タックスアンサー」に以下の説明があります。

借換えによる新たな住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる場合には、次の金額が控除の対象となる住宅ローン等の年末残高となります。

(1)A≧Bの場合
対象額=C
(2)A<Bの場合
対象額=C×A/B
A=借換え直前における当初の住宅ローン等の残高
B=借換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額
C=借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高

No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき|所得税|国税庁

(1)のケース
住宅ローン4,000万円・金利2%を4,000万円・金利1%で借換え、年末残高は3,900万円となった。
借換え直前における当初の住宅ローン等の残高(A)=4,000万円
借換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額(B)=4,000万円
借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高(C)=3,900万円
A≧Bのため「対象額=C」であり、控除申告者の年末残高(①欄)は3,900万円となります。

(2)のケース
住宅ローン4,000万円・金利2%を4,100万円・金利1%で借換え、年末残高は4,000万円となった。
借換え直前における当初の住宅ローン等の残高(A)=4,000万円
借換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額(B)=4,100万円
借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高(C)=4,000万円
A<Bのため「対象額=C×A/B」であり、控除申告者の年末残高(①欄)は3,902万4,391円となります。

(2)の計算結果の円未満の端数は切り上げました。端数処理は切り上げでも切り捨てでもよいとのことです(税務署確認済み)。

円未満の端数については切り上げを薦めている方がいました。

借換えによる新たな住宅ローン等の借入額が、当初の住宅ローン等の残高を超える場合には、上記のような計算をしますが、計算途中で端数が発生します。
その端数は、どのように計算すればいいのでしょうか。
端数処理については、規定がないようです。
そんなときは、納税者有利にするのが基本です。
住宅ローン控除額の計算では、年末残高が多くなれば控除額が多くなりますので、円未満の端数を切り上げてください。
ただ、住宅ローン控除額は、100円未満切捨てになりますから、年末残高の端数を同処理しても計算結果は、まず同じになるでしょう。

住宅ローン控除|住宅ローンの借り換えをした場合の条件、計算方法 | 税金、社会保険の知恵袋

また、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成した確定申告書の「(付表2)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」にある「連帯債務による借入金に係る各共有者の年末残高」でも円未満端数を切り上げて計算されていました。
よって、円未満の端数は切り上げて処理したほうがよいでしょう。

(2)のケース(借換え後の金額が借換え前の残高を上回る)は当初の住宅ローンの残高+借換えの手数料で借換えた場合に起こりえます。この全額を住宅ローン控除として認めてしまうと、借換え手数料に対しても住宅ローン控除を認めてしまうことになるため、このような計算を行っているそうです。
参考:借換えしても住宅ローン控除はできる?年末調整の手続きに注意! | 書庫のある家.com

今回行った計算は借換えを行った年だけでなく、翌年以降の住宅ローン控除申請でも同様の計算が必要です(税務署確認済み)。

連帯債務かつ借換えを行った場合の年末残高の計算

※本項について税務署に確認済み

連帯債務のみと借換えのみの各計算の合わせ技となります。
まず借換えでの計算を行い、これに対して負担割合を掛けます。

借換え時点の当初の住宅ローンの残高(A)=4,000万円
借換え時点の新たな住宅ローンの残高(B)=4,100万円
年末時点の新たな住宅ローンの残高(C)=4,000万円
控除申告者の負担割合=60%

A<Bのため「対象額=C×A/B×60%」であり、控除申告者の年末残高(①欄)は2,341万4,635円となります。

借換えのみのケースに記載の通り、今回行った計算は借換えを行った年だけでなく、翌年以降の住宅ローン控除申請でも同様の計算が必要です

借換え後の「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」

※本項について税務署に確認済み

赤枠で囲んだ箇所の記入方法です。
f:id:pato_taityo:20170119223837p:plain
※この画像は国税庁の以下の資料から記載例を切り出し、加工しています。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2016/pdf/100.pdf

住宅ローンの借換えを行った場合、備考欄右上の「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」は先に説明した借換えのみの年末残高と同じ計算を行います。ここでは負担割合を掛けません。
説明(引用)を以下に再掲します。

借換えによる新たな住宅ローン等が住宅借入金等特別控除の対象となる場合には、次の金額が控除の対象となる住宅ローン等の年末残高となります。

(1)A≧Bの場合
対象額=C
(2)A<Bの場合
対象額=C×A/B
A=借換え直前における当初の住宅ローン等の残高
B=借換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額
C=借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高

No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき|所得税|国税庁

住宅ローン4,000万円・金利2%を4,100万円・金利1%で借換え、年末残高は4,000万円となった。
借換え直前における当初の住宅ローン等の残高(A)=4,000万円
借換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額(B)=4,100万円
借換えによる新たな住宅ローン等の年末残高(C)=4,000万円
A<Bのため「対象額=C×A/B」であり、「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」は3,902万4,391円となります。

記載例として「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」に住宅ローンの年末残高等証明書の金額を記載すると説明していることがありますが、借換えの場合は上記の通り異なるため注意が必要です。

備考欄

※本項について税務署に確認済み

赤枠で囲んだ箇所の記入方法です。
f:id:pato_taityo:20170119224029p:plain
※この画像は国税庁の以下の資料から記載例を切り出し、加工しています。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2016/pdf/100.pdf

連帯債務者がいる場合、以下に従って記入が必要です。

 「備考」欄に、他の連帯債務者から、「私は連帯債務者として、右上の住宅借入金等の残高○○○円のうち、○○○円を負担することとしています。」等の文言、住所及び氏名の記入と押印を受けてください。その方が給与所得者である場合には、その勤務先の所在地及び名称も併せて記入を受けてください。
 なお、「備考」欄に書ききれない場合は、適宜別紙に記載して添付してください。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2016/pdf/100.pdf

連帯債務者の負担額は以下の計算を行います。
「連帯債務による住宅借入金等の年末残高(円)」
   ×
「連帯債務者が負担すべき割合(%)」
   =
「連帯債務による住宅借入金等の年末残高のうち連帯債務者が負担すべき部分の年末残高(円)」

「連帯債務による住宅借入金等の年末残高(円)」は備考欄右上に記載したものです。借換え時の記入例は先の説明を参照ください。

「連帯債務者が負担すべき割合(%)」は住宅ローン初年度の確定申告書として提出した「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる住宅借入金等の年末残高の計算明細書」又は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」で確認します。

例えば、以下の計算となります。
連帯債務による住宅借入金等の年末残高=3,900万円
連帯債務者の負担割合=40%
連帯債務者の負担すべき年末残高=3,900×40%=1,560万円

会社への書類提出と説明

借換えや負担割合による計算を行った場合、会社の担当者から計算の根拠を確認されることがあります。提出書類からは借換え前の金額や負担割合を確認できないためです。
書類の提出と併せて、記入の際に用いた数値(金額)と計算過程を伝えることで、事務処理がスムーズに進むかもしれません。

Windows 10 ProでウィルスバスターとHyper-Vをインストール後、起動時にブルースクリーン(APC INDEX MISMATCH)が表示される場合の復旧手順

インフラ

事象

Windows 10 Pro 64bit版 で起動時にブルースクリーン(BSoD)が表示される。
表示される停止コードは"APC INDEX MISMATCH"。
何度再起動しても再発する。

再現環境

構成の異なる2台のマシンで再現した。再現した環境の共通項は以下の通り。
真因は不明だが、後述の通りトレンドマイクロから提供されたウィルスバスターのパッチによって事象は解消した。

  • Windows 10 Pro 64bit版
    • バージョン 1607
    • OSビルド 14393.223
  • Windows Updateは最新の状態(2016/10/08時点)
  • ウィルスバスタークラウド
    • バージョン番号 11.0.1158
  • Hyper-Vをインストール済み

再現手順

Windows 10 Proマシンでウィルスバスタークラウド11とHyper-Vをインストールすると、高い確率で起動時にブルースクリーンとなる。一度ブルースクリーンになったあとは通常起動ができない。

復旧手順

セーフモードでHyper-Vとウィルスバスターを削除することが基本となる。

セーフモードの起動

本事象が発生するとWindowsの起動と失敗を自動で繰り返す。通常であれば2回の起動失敗後に回復メニューが表示される。

回復メニュー(画面がブルーの背景で「回復」「Windowsが正しく読み込まれませんでした」と表示される)が表示された後は以下のエントリを参考にセーフモードで起動する。
Windows 10 で BSOD。 APC_INDEX_MISMATCH で起動しなくなった - だるろぐ

上記エントリではスタートアップ設定で「4)セーフモードを有効にする」を選択しているが、この後の手順でツールをダウンロードするため「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択する。
エントリではその後も手順が続くが、ここでは実施せずに以下の手順を試みる。

ウィルスバスターの削除

セーフモードではウィルスバスターを通常の手順で削除できない(先のエントリでも触れられていた通りだった)。ただし、トレンドマイクロの提供しているアンインストールツールを使えばセーフモードでもアンインストール可能となる。
ダウンロードおよび手順については以下のリンク先を参照のこと。
ウイルスバスター クラウドアンインストールツール | サポート Q&A:トレンドマイクロ

Hyper-Vの削除(無効化)

[コントロールパネル]-[プログラム]-[プログラムと機能]-[Windowsの機能の有効化または無効化]を実行する。

Windowsの機能」ウィンドウ内の"Hyper-V"のチェックを外し、OKをクリックする。

システムの復元(セーフモードで起動できない場合)

まれにセーフモードですら起動できないことがある。その場合はシステムの復元を試す。途中まではセーフモード起動手順と同様。

回復メニューを表示し、以下の手順で操作する。
[詳しい修復オプションを表示する]-[トラブルシューティング]-[詳細オプション]-[システムの復元]

今回試した限りでは「システムの復元」でブルースクリーンから復旧させることはできなかったが、セーフモードでは起動できるようになった。「システムの復元」がエラーで終了しても実際には復元されていることがあるようなので、セーフモードでの起動を試みるとよい。

PCを初期状態に戻す(最後の手段)

ここまでの手順を試みても回復できない場合はWindowsを再インストールする。
回復メニューを表示し、以下の手順で操作する。
[詳しい修復オプションを表示する]-[トラブルシューティング]-[このPCを初期状態に戻す]

Windows Defenderのリアルタイム保護が有効にならない

ウィルスバスターをアンインストールツールで削除後、代わりにWindows Defenderを使いたくてもリアルタイム保護が有効とならないことがある(Windows Defenderの画面で「リアルタイム保護」の項目に「別の AV プログラムによって処理されます」と表示される)。
この場合、通常起動できる状態でウィルスバスターを再度インストールし、Windowsを再起動せずに通常通り「プログラムと機能」等からアンインストールを行う。
ウィルスバスターインストール後に再起動を行うと、ブルースクリーンが再発するため行わないこと。

失敗した復旧手順

セーフモードでHyper-Vを削除するだけでは回復できなかった。

回復メニューの[詳しい修復オプションを表示する]-[トラブルシューティング]-[詳細オプション]で以下を試したが効果無かった。

  • システムの復元
  • スタートアップ修復

トレンドマイクロからのパッチ提供

本件についてトレンドマイクロのサポートに問い合わせを行い、提供されたパッチによって私の環境では事象を解消した。サポートからの回答によれば、このパッチは個別に提供されたものであり、事象の報告件数が少ないため、問い合わせ時点で今後のアップデートに含める予定はないとのこと。
同様の事象が疑われる場合はサポートに問い合わせることをお勧めします。

更新情報

2016/10/27

  • ウィルスバスターの個別提供パッチによって事象が解決した旨を記載した。

レビューでほめて後輩を育てる

コミュニケーション マネジメント

はじめに

仕事では様々なレビューを行います。対象はドキュメントであったり、システムであればコードであったりします。そうしたレビューにおいて良い点を認めることで何が起きるか。後輩とのレビュー経験をもとにまとめました。

レビューの失敗

まず、自分の失敗談からお話しします。
その日は後輩のドキュメントレビューを担当していました。自席での事前レビューで指摘事項がいくつか見つかっていました。そこで、指摘事項を箇条書きにまとめ、後輩の席でドキュメントと見比べながら伝えることにしました。
その時の後輩の様子はとても印象的なものでした。最初は少し緊張した面持ちでした。そして指摘が進むにつれ、言葉数は少なく、うつむきがちになってしまいました。どこか言いたげな雰囲気がありつつもそれを伝えてくることもなく、初回のレビューはモヤモヤした雰囲気を残して終了しました。

レビューとは何のためにあるのか

指摘事項を直させるだけであれば目的は達成していました。ですが、レビュアーとして本当にそれだけでいいのだろうかという思いが残っていました。
そこで、そもそもレビューは何のためにあるのかを改めて考え、以下の2点に至りました。
1. 成果物(ドキュメントやコードなど)の品質を高めるため。
2. レビュイー(レビューを受ける側)の成長のため。

品質を高めるために「悪い」点を修正するよう指摘することは必要です。ただ、後輩育成という観点から考えたとき、その成長につなげる必要もあります。そのためには「良い」点も認めるべきという考えに至りました。

両面を認める

なぜレビューで「良い」点を認める必要があると考えたか。それは「良い」点を認めることで、さらに良くしていこうというモチベーションを持ってもらえると考えたからです。
仮に「悪い」点ばかりを指摘していたらどうでしょうか。最初は「悪い」点を直そうと必死で取り組むでしょう。でもそれを改善してもまた別の「悪い」点を指摘される…。これを繰り返すうちに自信を無くし、ネガティブな気持ちになります。今やっていることの本質に向き合うのではなく、「悪い」点の解決に集中しがちになります。そして、気づかれなかった「良い」点を失うことになるかもしれません。
もし両面を認めていれば、認められた嬉しさをモチベーションに、「良い」点を伸ばしつつ、「悪い」点の解決に力を注ぐことができたかもしれません。

今回のレビューの問題点

今回のレビューで問題だったのは「良い」点を認めなかった(伝えなかった)ことでした。そのドキュメントはまだまだ粗っぽいものでしたが、それでもしっかりとポイントをおさえて書かれている個所がいくつもありました。そこを認めることなく指摘ばかり繰り返してしまい、後輩を落ち込ませるという結果を招いてしまいました。

レビューの改善

そして、前回のレビュー後の修正結果を確認する日が来ました。
やはりその日も後輩は緊張した面持ち。そこで緊張をほぐすため、まずはほめることにしました。前回のレビューを受けてほぼ正しく修正されていることや、元から良かった点を伝えました。そうすると、後輩は明らかにほっとした表情になりました。
その後、追加の指摘事項とその理由を伝えると、前向きにそして素直に受け入れてくれました。また、後輩は指摘事項に対して自分の意見を言えるようになり、それを踏まえて一緒に検討しなおすこともできるようになりました。そうして、お互いに前向きなレビューとなったのです。

まとめ

一言でまとめると、レビューでは良さも悪さも認めよう、ということです。
思い返せば自分が若手だった頃、先輩の何気ないほめ言葉がとてもうれしかったものです。その何十倍も怒られたけど、その一言が支えになり、明日への力となりました。それはきっと、どのポジションにいたとしても同じではないでしょうか。

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」(山本五十六