読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぱと隊長日誌

ブログ運用もエンジニアとしての生き方も模索中

PMBOKにおけるスポンサーとは誰なのか?

PMBOKガイド第5版ではスポンサーを以下のように説明している。

  • プロジェクトに資源や支援を提供し、成功させる責任を負う個人やグループ
  • プロジェクトマネージャーの組織内あるいは組織外の場合がある
  • プロジェクトマネジャーのコントロールの範囲を超える課題に関してエスカレーションの受け手になる

このスポンサーの具体例として、以下のいずれかで説明しているケースが多い。

(1)スポンサーは顧客である
その理由として、資源(資金)提供元の顧客こそがスポンサーであるから、としている。
だが、この場合は顧客がプロジェクトマネージャーの範囲を超える課題についてエスカレーションを受ける、という事になる。これは必ずしも成り立たない。例えば、資金が足りない時に顧客へエスカレーションするだろうか?

(2)スポンサーはプロジェクトマネージャーの属している組織のシニアマネージャー(部長等)である
その理由として、プロジェクトに資源を直接提供しているのはプロジェクトマネージャーの属している組織であり、課題のエスカレーションの受け手でもあるから、としている。
だが、PMBOKの「スポンサーはプロジェクトマネージャーの組織外の場合がある」という説明が成り立たない。

この疑問に対して明確な解説をしたエントリがあった。
Customer is not the Sponsor
※以降、原文と意訳を併記していますが、解釈に誤りがあればコメントをぜひお願いします。

まず、PMBOKのスポンサーとは役割であり、人や職種ではないとしている。

PMBOK provides definition of 'Project Sponsor' as a Role and not as a person or job title.

そして、スポンサーの所属組織には2通りのシチュエーションがあるとしている。
なお、原文では利益という観点で考察しているが、スポンサーが組織内部・外部のどちらにいるのかという観点でも考察できる。

(1)スポンサーがプロジェクトマネージャーの組織内にいる場合

顧客企業がSIerに対し、1000万で仕事を依頼したとする。SIerのシニアマネージャーは部下のプロジェクトマネージャーに対し、予算800万+利益200万でプロジェクトを成功させるように命じた。この場合、SIerのシニアマネージャーがスポンサーとなる。

1. A project done FOR PROFIT - Client agrees to pay 100K but a senior manager from Performing Organization decides a budget of 80K for project (20K is projected profit). In this case the senior manager is the 'Project Sponsor'.

(2)スポンサーがプロジェクトマネージャーの組織外にいる場合

援助団体(顧客)が外部のNPO団体(プロジェクトマネージャーの所属組織)と契約を行った。また、援助団体のシニアマネージャーがプロジェクトの予算決定及び執行を行った。この場合、援助団体のシニアマネージャーがスポンサーとなる。

2. A project done FOR NON-PROFIT - A Donor Agency is doing a disaster management project in a specific country. The Donor Agency (Client as well as sponsoring organization) has contracted a particular independent non-profit organization (PM's Performing Organization) to meet certain objectives. A senior manager from from the Donor Agency will decide about the project budget, disburse the funds as needed and manage the costs. In this case senior manager from the Donor Agency (Client) is the 'Project Sponsor'.

つまり、スポンサーとはプロジェクトに直接資源を提供する個人・グループといえる(直接というのがポイント)。プロジェクトマネージャーの組織内にいるシニアマネージャーがスポンサーとなるケースは多いが、必ずしもそうとは限らない。