ぱと隊長日誌

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リーダーシップの抵抗勢力はどこにいるのか?

新しいことを始めるとき、必ず抵抗勢力がいます。明確に反対しないまでも、協力に消極的な場合もあります。そんな抵抗勢力に対し、どう向き合うべきでしょうか?
同じ職場で働くコンサルタントに相談してみたところ、相手にとってのメリットをアピールして協力してもらう、との回答でした。これはD・カーネギーの『人を動かす』の人を動かす三原則の一つ、「人の立場に身を置く」に通ずる方法だと思います。

ですが、果たして抵抗勢力は周囲だけなのでしょうか。隠れた、そして最も手強い抵抗勢力は自分自身なのではないでしょうか。

リーダーシップをもって新しい価値観に移行する時、それは人々に何かを失うことを納得させる必要があります。そして、それは自分自身に対してでもあります。
それなのに、他人には痛みに耐えることを求めながら、自分は痛みを避けようとしていないでしょうか。それどころか、他人にも自分にも痛みに耐えて前進するよう求めることを避けていないでしょうか。理想を語って変えられない現実を嘆く。そうやって、リーダーシップのとれない自分をかばっていないでしょうか。そんなとき、自分自身がリーダーシップに対して最大の抵抗勢力となってしまっていると思うのです。

マーティ・リンスキーとロナルド・ハイフェッツの『最前線のリーダーシップ』では自分が属する組織やコミュニティをリードする際、自分自身が問題の一部であったことを認めるべきとしています。組織をリードする時、その中にいる自分もまた痛みを感じることに覚悟しなければなりません。

もしあなたが、組織で責任ある役割を担っており、その組織に問題が起きているとすれば、あなたにも問題が起こった責任の一端があり、問題が手つかずになっている理由の一部があなたにもあることはほぼ明らかである。(中略)あなたがもたらそうとしている変革の障害になり得る部分が、あなたの行動や価値観のなかにもあると知っておく必要がある。
出典:最前線のリーダーシップ

そして、休息も大切です。自分が日々回復できる場所・時間を確保しなければ、消耗してしまうでしょう。

リーダーシップを発揮する過程で、孤独と絶望の日々が訪れるかもしれない。この局面を乗り切るためにもパートナーが必要だ。
また、自分自身に戻れる聖域が必要だ。祈りでも瞑想でも散歩でも、バーでスコッチの氷を眺める事でもいい。とにかく聖域を持つこと。そこで心身をいやし、再び戦いの場への出ていく英気を養うのだ。

NHKリーダーシップ白熱教室第6回(世界が君を待っている)まとめ - ぱと隊長日誌

現状維持というぬるま湯は心地よいです。ですが、気が付いた時には茹で上がっていたり、冷え切っているかもしれません。
そうならないために、自分を含めた全体を見渡し、何をすべきか自分に問いかけること。変革への覚悟を持ち、傷ついた心身を休ませる場所を用意すること。それがリーダーシップのベースになると思うのです。

人を動かす 新装版

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最前線のリーダーシップ

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