ぱと隊長日誌

ブログ運用もエンジニアとしての生き方も模索中

チームメンバーに求める「体調管理」

『体調管理をしっかりするように』この言葉を社会人になってから幾度も聞いた。はい、と返事するものの内心困っていたりする。風邪をひきたくてひくわけではないのに、どう回避したらいいのよ、と悩んでしまうのだ。そして、体調不良で休んだら怒られるんじゃないだろうか、仕事の遅れをどうリカバリーするのかと責められるのではないかと気が気でなかった。

だから私がメンバーを率いるようになってから代わりにこう伝えるようにしている。「体調が悪ければ休んでください。周囲への影響を考えるように。休むべき時に休むことも体調管理です。」と。

こうやって考えるきっかけになったのは人材教育コンサルタント田中淳子さんのブログにこんな言葉を見つけたからだ。

あのね、「腐ったミカン」って言うでしょう? 田中さんがよくても、田中さんの風邪が周囲にうつることもあるわけで、そうなると影響が大きいんだよね。だから、あなたのことを心配しているんじゃなくて、ま、それもあるけれど、大勢への影響を気にしているの。だから、帰って。それから明日も休んで!

あなたは“腐ったミカン”です:田中淳子の“言葉のチカラ”(3) - @IT

この言葉に触れた時、それまで自分の事しか考えていなかったとガツンと衝撃を受けた。自分が休めば自分のタスクは遅れるかもしれない。でも、無理して出社してもパフォーマンスは出せないし、自分の風邪が他の方にうつってチーム全体のパフォーマンスを下げてしまうかもしれない。それぐらいなら自分は休んだ方がいい、そう思えるようになった。

メンバーが休むことに躊躇する理由の一つはスケジュールに遅れを作ってしまうことだ。だから、私が休めばよいと宣言する以上は休んだことによる遅れを責めないことにした。スケジュールにはバッファを設けるし、どうしようもなければ私も手を動かすし、それでも遅れるなら頭を下げて回る。社内SEかつ理解あるユーザーに恵まれたからではあるが、なんとか実現できてきた。

体調不良の休みは突然なものだから、普段から備えは怠らない。メンバーとのやり取りの内容は記録に残す。中間成果物を決まった場所に置く。夕会でその日の成果と翌営業日の予定を把握する。そうやって突然の休みの場合でもカバーできるように備えている。

メンバーの普段の様子を観察するようにしている。笑顔は出ているか。ミスを繰り返していないか。昼休みをちゃんととっているか。「普段通り」がどんな状態であるかを観察している。

また、何気ない雑談から体調や家庭の事情などで配慮すべきことがないかを聞き漏らさないように意識している。そして、できる限りの配慮を行うようにしている。

ただ、体調管理が「休むべき時に休むこと」だけではないこととも釘を刺している。規則正しく生活し、しっかり食べて、しっかり寝る。体調を崩す前兆を感じたら対処する。これらをしているという信頼の前提での「休むべき時に休むこと」だ。この前提が崩れてしまえば厳しい対応をせざるを得ない。

チームメンバーあってこそのチームであり、メンバーの体調管理もまたリーダーとマネージャーの責務だと考えている。