ぱと隊長日誌

ブログ運用もエンジニアとしての生き方も模索中

幼い子供の育児と自分の勉強時間確保の両立

※タイトルを変更しました(旧題:子供が生まれた後の勉強時間の確保の仕方(の一例))

はじめに

私はエンジニアであり、幼い子供を持つ父親でもあります。そして、育児と勉強時間確保の両立に悩む一人でもあります。

この記事を読んでいただいている方々の状況は様々ですが、勉強時間をどう確保するかに悩むという点では同じでしょう。そして私も悩む一人です。そんな私が取り組んでいることを一例として紹介し、少しでも参考になればと考えました。

冒頭にも書いた通り、私も同様の悩みを抱える一人です。解消のためのアイディアがあれば、ぜひ共有してください。

タイムスケジュール

私の平均的な一日のタイムスケジュールをご紹介します。この中でどうやって時間を捻出しているかをご説明します。

平日

05:20 起床
05:20~06:40 朝食・準備・子供の相手
06:40~08:00 通勤
8:00~19:00 勤務(昼休み含む)
19:00~20:30 通勤
20:30~21:15 夕食・子供と遊ぶ
21:15~22:45 家事・お風呂
22:45~23:40 勉強
23:40 就寝

休日

07:00 起床
07:00~11:30 朝食・子供と遊ぶ
11:30~12:30 昼食
12:30~14:30 子供の昼寝のお供
14:30~17:00 子供と遊ぶ・家事
17:00~17:30 子供とお風呂
17:30~21:00 夕食・子供と遊ぶ
21:00~22:00 家事
22:00~23:40 勉強
23:40 就寝

心構え

子供が生まれたら、これまで通りにはいきません。新しい生活でバランスをとっていく必要があります。まずはそのための心構えを準備します。

イノベーション・オブ・ライフ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

この本をぜひ一度手に取って読んでみてください。できれば通して読んでいただきたいですが、もし時間がなければ「第2部 幸せな関係を築く」だけでも、それすら許されなければその冒頭だけでも目を通してみてください。

その一節である、この言葉を忘れないでください。

達成動機の高い人たちは、仕事でこうなりたいと思う自分になることに没頭して、家庭でなりたい自分になることをおろそかにしがちだ。立派な子供を育て、伴侶との愛を深めることに時間と労力をかけても、成功したという確証が得られるのは、何年も先のことだ。その結果、キャリアに投資するあまり、家族には十分な投資をしなくなる。そうして人生の大切な部分から、花開くために必要な資源機会を奪っているのだ。
イノベーション・オブ・ライフ 第2部 幸せな関係を築く~

この本は『イノベーションのジレンマ』の著者であるクリステンセン教授のハーバード・ビジネススクールの最終講義をベースにしたものです。キャリア選択・人間関係の構築・子育てへの指針を語り掛けるように示してくれます。いずれも本エントリに興味を持っていただいた方々が知りたいことではないでしょうか。

本エントリはこの本から多くの影響を受けています。時間の確保の例を説明する前に「家族へのサポート」を説明しているのはこのためです。とても大切なことなので、ぜひ本をご一読ください。

子供の生活リズムの変化に合わせる

乳幼児期は子供の成長に応じて生活リズムが大きく変化します。それは大人の生活リズムも変化するということでもあり、勉強時間の確保の仕方も変化させていく必要があります。

一度確立した生活リズムを変えることも勉強時間確保の仕方を変更することも大変なストレスです。ですが、無理にこれまでのリズムを維持しようとするほうが、よりストレスとなります。少しでも早く新しいリズムに対応し、確保する方法を模索しましょう。

家族へのサポート

あなたの人生の基盤は家族です。そんな家族を大切にしてください。

大切な人との関係を育み、築いていかなければ、長い人生の旅路で出会う困難を乗り越えようとするとき、そばにいて支えてくれる人がいなくなり、大切な幸せのよりどころを失うことになるだろう。
イノベーション・オブ・ライフ 第5講 時を刻み続ける時計~

自分へのサポートを得るために家族をサポートする

端的に言えば、持ちつ持たれつ、give and take です。あなたが何かを求めるのであれば、相手にも与える必要があります。自分が勉強のための自由時間がほしいのであれば、相手(家族)にも自由時間を作ってあげる必要があります。

家族はあなたのことを思っています。ですから、一時的な痛みには耐えてくれます。例えば、あなたが重要な試験の直前であれば、家族は笑顔で応援し、集中する時間を作ってくれることでしょう。

でも、勉強時間の確保は一時的なことでなく、継続的なことです。最初は応援してくれていた家族もいつしか疲れてしまいます。その状態が続けば家族の関係にまで影響します。

これ(勉強)は仕事のためなんだ、と自分に言い聞かせて目を背けないでください。

自分だけが幸せになるのではなく、家族全員が幸せになる道を選ばなければいけません。

家族以上に犠牲を捧げる価値のあるものは、おそらくないのだろう。家族があなたのために自分を犠牲にするだけでなく、あなたも家族のために犠牲を払わなくてはならない。これこそが、深い友情や、充実した幸せな家庭生活、結婚生活の大切な土台だと、わたしは信じている。
イノベーション・オブ・ライフ 第6講 そのミルクシェイクは何のために雇ったのか~

家事はパートナーのペースで

あなたが私と同様に男性で、妻と共働きで、妻が家事の中心を担っているとします。であれば、家事を進めるペースは妻に合わせなければいけません。

例えば、あなたが一息ついているところで妻から皿洗いを頼まれたとします。であれば、すぐに取り掛かる必要があります。もし後でやるよ、といえば、その間に妻が皿洗いを済ませてしまうことでしょう。

なぜ自分のペースでやれないのかと、あなたは不満に思うかもしれません。でも、同じことをパートナーも感じているのです。私の計画・ペースで進めたいと。

もしかしたら、シンクに残った皿を片付け、明日の準備をしたいのかもしれません。もしくは片付かないと落ち着かないのかもしれません。

妻が家事の中心を担うのであれば、妻は家事のリーダーであり、あなたはメンバーです。メンバーである私たちがリーダーに従わなければ、物事はうまく進まないことでしょう。

ここでは妻が家事の中心を担う場合を想定しましたが、逆であれば立場が入れ替わるだけで同じことが言えます。

家事は何でもやる

家事でパートナーにできて、あなたにできないことはほとんどありません。できないのではなく、やり方を知らないだけです。やり方は教わることができます。

家事によって得手不得手はあります。だから、ある程度担当できる家事に制限ができてしまうことはやむを得ないとも思います。でも、掃除のように手順さえ覚えてしまえば得手不得手の差が出にくい家事もあります。そういった種類の家事を引き受けてはどうでしょうか。

何をやってほしいか、何をやればよいかはパートナーに聞けば教えてくれます。余裕があるときにやり方を教わり、できることから少しずつ始めていきましょう。

子供と向き合う

子供から遊んでとせがまれたら、勉強の手を止めましょう。そして、子供と向かいましょう。

集中を途切れさせたくないときも、気分が乗っていて止めたくないときもあるでしょう。でも、勉強は後で再開できます。子供があなたを求めてくれたのはその一瞬です。その求めに応えられなければ、いつしかあなたから離れていきます。だから、その時・その瞬間に応えることが大切なのです。

家族の話を聞く

子供は寝た。家事を終えた。さぁ、あなたの時間です。でも、パートナーが話しかけてきたとしたら?

パートナーの話を相手の気が済むまで聞いてあげてください。勉強したくて、もどかしい気持ちになるかもしれません。ですが、勉強はいつでもできます。話はその時に湧き上がるもの、その時にしかできないものです。その機会を逃さないでください。

この関係が維持できれば、あなたが辛いときにパートナーはきっと話を聞いて支えてくれます。

時間の確保

時間の確保に特別な方法はありません。人生のバランスを取りながら、時間を見つける努力が必要です。

睡眠時間を削りすぎない

睡眠時間の削減は時間を確保するために真っ先に思いつく方法です。ですが、削りすぎには要注意です。

子供が幼いうちは睡眠のリズムが不安定で、夜泣き・早起きがしょっちゅうです。なので、あなたが明日はゆっくりめに起きるからと夜更かしすると、子供の思わぬ早起きで起こされ、睡眠不足に陥る可能性があります。

睡眠不足になれば、平日は仕事の集中に欠き、休日は常に眠気に悩まされるでしょう。そして、長期的には身体にも悪影響を与えます。

必要な睡眠時間を確保できるよう、夜は早めに寝ることを心がけましょう。
#そんな私ももう少し長く寝ないとダメですね。

通勤を変える

私は早めに家を出て、各停の電車を利用するようにしています。

私の通勤に利用している路線は通勤時間帯の混雑がかなりひどいです。それだけでかなりのエネルギーを使います。なので、ラッシュ時間帯を避けるために早めに家を出ています。

また、ラッシュ時間帯を避けたとしても混雑がひどいことには変わりありません。ぎゅうぎゅう詰めの中、スマホをいじろうものなら周囲からヒンシュクを買います。

ラッシュ時間帯を避けた各停での移動であれば、吊革につかまりながら片手でスマホを操作することぐらいはできます。その合間にニュースや新しい話題をチェックすることができます。

乗り換えで始発を選べる場合は並んで待ちます。始発で座れたら、本を読んだり、スマホで講義の動画をチェックしたりします。

私の場合、自宅と勤務地の距離が離れているため、どうしても通勤時間がかかります。であれば、その時間をどう有効活用するか、という発想からこの形に行きつきました。

細切れ時間を使う

業務に余裕があって定刻出勤でよい日は出勤前に会社近くのカフェで勉強しています。

昼休みは自席で弁当なので時間に余裕があります。その分、昼寝して午後へのエネルギーをチャージしつつ、残りの時間を勉強に費やします。

休日であれば、子供の昼寝につきあって寝かしつけた後は起きるまでが勉強タイムになります。

こうした細切れ時間を活用するため、いろいろなところに勉強道具を仕込んでおきます。スマホには講義アプリ、タブレットには資料、家には手のすぐ届くところに本を置いています。

子供と一緒に勉強する

子供向けの海外制作のアニメには副音声で英語の入っていることが多いです。例えば、トーマスやトイストーリーなどです。

子供がまだ小さく、音声よりも映像を楽しんでいる場合には英語に切り替えて一緒に見たりします。子供は映像を楽しみ、自分は英語のリスニングをしながら子供と一緒に過ごすことができます。

ただ、やってはいけないのが、子供の遊びに付き合っているように見せて、スマホをいじったりすることです。例えそれが勉強のためだとしても、やってはいけません。子供を見ずにスマホを見ている親をしばしば見かけますが、子供は見ていないようで見ています。子供のために避けるべきです。

趣味を削る

私の場合、子供が生まれてから家での晩酌をやめました。子供が急に体調を崩したときに冷静に対応できるように、というのが主な目的ですが、晩酌することで酔って勉強に集中できない時間がもったいないと考えたのもあります。

ゲームも大好きですが、のめりこんでしまう癖があるため、きっぱりやめました。

とはいえ、制限しすぎると辛くなるので、家でも家族との付き合い酒はしますし、飲みの席ではガンガン飲みます。長期休みの際はゲームもします。また、うれしいことや何かを成し遂げた時はウィスキーを少しだけ飲みます。そうやって、緩めるところを緩め、日々を節制することにしています。

自由時間をお金で買う

自由時間はある程度であればお金で買うことができます。特に家電に投資することで家事の時間を節約し、自由時間を増やすことができます。例えば、私と妻が実際に買って使って満足しているものには食洗器やロボット掃除機があります。家電は比較的長期間使えること、また安物買いの銭失いのリスクを考え、使いこなせる範囲である程度奮発したほうが満足度が高いです。

私の場合、共働きの妻が食事を用意してくれるのですが、妻には料理キット(ミールキット)を積極的に活用していこう、といつも話しています。それを利用することで妻がたまに楽をできれば心にも余裕ができ、子供にとっても私にとってもメリットがあるという考えからです。いつも手作りで頑張ってくれているのだから、その手間を少しばかり節約することに罪悪感を感じる必要なんてないのです。

また、電車移動がある程度長距離であれば、有料特急やグリーン車の利用も考えてみてよいかもしれません。コスパは比較的悪いですが、時間には代えられないという考え方もありだと思います。

有給休暇の活用

どうしてもまとまった時間を集中したいときは有給休暇を使うのも手です。奥の手といった感じはありますが、活用を考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

まずは家族を大切にすることを考えましょう。そのために必要な時間もお金も費やしましょう。時間の確保はそれからです。

時間の確保はどれだけ細切れタイムを有効活用できるか、そこでの成果をまとまった時間でどれだけアウトプットできるかにかかっています。

一緒に頑張りましょう。心から応援しています。

更新情報

2018/02/11

タイトルを変更しました。

「子供の生活リズムの変化に合わせる」を追加しました。

背理法と前提の関係

まず、背理法の定義を確認します。

背理法(はいりほう、英: proof by contradiction, reduction to the absurd, indirect proof, apagogical argument など、羅: reductio ad absurdum)とは、ある命題 P を証明したいときに、P が偽であると仮定して、そこから矛盾を導くことにより、P が偽であるという仮定が誤り、つまり P は真であると結論付けることである。

背理法 - Wikipedia

Wikipediaに限らず、多くの本・資料で背理法はこのように説明されています。この定義には前提に対する説明がありません。また、「P が偽であると仮定して、そこから矛盾を導く」とあります。これらから以下の疑問を持つかもしれません。

  • そもそも背理法での証明に前提を置いてよいのか?
  • 背理法は仮定から導いた結果と前提との矛盾を導くことでも証明できるのか?
  • 前提が複数あるとき、背理法は仮定から導いた結果と前提の一つが矛盾すると導ければ証明できるのか?

結論としてはいずれも「できる」です。これを記号論理学の証明例を用いて説明します。
説明には「記号論理入門(金子 洋之・著)」を参照します。

記号論理入門 (哲学教科書シリーズ)

記号論理入門 (哲学教科書シリーズ)


背理法は¬-導入則とDN規則の組み合わせです。以下に導出の流れを示します。

1 (1) ¬P 仮定
a1,...,an,1 (i)
a1,...,an (j) ¬¬P 1-i.¬-導入
a1,...,an (k) P j.DN規則

この導出の流れは「P が偽であると仮定して、そこから矛盾を導くことにより、P が偽であるという仮定が誤り、つまり P は真であると結論付ける」となっています。

¬-導入則:
ある式 A を仮定して論証を進めた結果、矛盾が導かれたならば、最初に仮定した式の否定 ¬A を導いてよい。

¬-除去則:
ある式とその否定の両方が導かれるとき、矛盾を表す式 ⊥ を導いてよい。

DN規則:
前もって ¬¬A が導かれているとき、A を導いてもよい。


これを踏まえて次の式の証明を見ます。
 P ⇒ Q, ¬Q ⊢ ¬P

この式の証明は以下の通りです。

1 (1) P ⇒ Q 前提
2 (2) ¬Q 前提
3 (3) P 仮定
1,3 (4) Q 1,3.⇒-除去
1,2,3 (5) 2,4.¬-除去
1,2 (6) ¬P 3-5.¬-導入

P を仮定して矛盾 ⊥ を導き、仮定した式の否定 ¬P を導くという¬-導入則を利用しています。

ここで注目していただきたいのが、仮定 P から導いた Q と前提 ¬Q から¬-除去則を利用して矛盾 ⊥ を導いたということです。つまり、矛盾を導くために前提を利用しています。

背理法は¬-導入則とDN規則の組み合わせであり、この証明の¬-導入則で導く流れを利用できます。つまり、この証明例から以下のことが言えます。

  • 背理法での証明に前提を置いてよい
  • 背理法は仮定から導いた結果と前提の矛盾を導くことでも証明できる
  • 前提が複数あるとき、背理法は仮定から導いた結果と前提の一つが矛盾すると導ければ証明できる


もし、前提だけで矛盾が導ける場合はどう扱うべきでしょうか。例えば、次の式です。
 P, ¬P ⊢ Q
これは爆発律(Principle of explosion)と呼ばれ、前提が矛盾していればどんな式も成り立つことを示しています。
参考:
矛盾許容論理 - Wikipedia
Principle of explosion - Wikipedia

背理法は「P が偽であると仮定して、そこから矛盾を導く」とあり、仮定から矛盾を導くことが必要です。この点が前提の矛盾だけで導く爆発律と異なります。


仮定から導いた結果と前提の一つとの矛盾を導くことで証明(背理法)した例を引用します。

前提 1 カツオが鉢植えを壊していないならば、カツオは野球ボールを持っていない。
前提 2 カツオは野球ボールを持っている。
結論 カツオが鉢植えを壊した。

  1. ここで、結論である「カツオが鉢植えを壊した」を導くために、そうでないと暫定的に仮定してみる。すなわち、「カツオは鉢植えを壊していない」と仮定してみる。
  2. すると、前提 1 から → 除去規則により、「カツオは野球ボールを持っていない」ことが帰結する。
  3. しかし、それは前提 2 の「カツオは野球ボールを持っている」と矛盾する。
  4. すなわち、「カツオは鉢植えを壊していない」と仮定すると、矛盾に陥る。

したがってその仮定が間違っていたのであり、「カツオは鉢植えを壊した」と結論することができる。(この最後のステップが背理法。)

http://abelard.flet.keio.ac.jp/person/takemura/class/2013/3-print-nk.pdf

数学的帰納法の証明の仕組み

数学的帰納法はドミノ倒し(もしくは将棋倒し)に例えられることが多いです。このドミノ倒しのイメージが私には当初理解しにくかったので、分かりやすく説明を試みます。ただし、この説明は直感的なものなので、数学的に厳密な証明を知りたい方は別の資料を参照ください。

このエントリでは問題例と証明例を以下の記事から引用しています。
http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/kou2/inductive_method1.htm

まず、数学的帰納法の基本的な形を示します。
自然数 n について成り立つ命題 Q がある。
(a) n=1 のときに Q が成立することを証明する。
(b) n=k のときに Q が成立すると仮定すると、n=k+1 のときにも Q が成立することを証明する。
この2つを証明することで、命題 Q がすべての自然数 n について成立すると証明できる。

(b) については次のように置き換えることもできます。
(b') 2以上のすべての自然数 n について、n=k-1 のときに Q が成立すると仮定すると、n=k のときにも Q が成立することを証明する。

参考:http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/fsakai/induction.html

なお、命題とは真偽の判断の対象となる文章または式のことであり、定理または問題のことです。

参考:命題 - Wikipedia

すべての自然数 n について
 1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2
が成り立つことを証明せよ。
という問題であれば、命題は "1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2" となります。

なお、数学的帰納法の問題の例としてよく取り上げられる命題は等号で結ばれた数式(等式)ですが、命題にできるのは等式に限りません。例えば、次のような問題も数学的帰納法で証明できます。

n が4以上の正の整数のとき,凸n角形の対角線の総数は
 ( n ( n − 3 ) ) / 2
に等しいことを数学的帰納法で証明せよ。

以降では次の問題を例に考えます。
すべての自然数 n について
 1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2
が成り立つことを証明せよ。

この問題に対する間違った証明として、記事では以下の例を挙げています。

n=1 のとき 1 = n2 が成り立つ
n=2 のとき 1 + 3 = 22 が成り立つ
n=3 のとき 1 + 3 + 5 = 32 が成り立つ
よって,どんな n についても 1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2 が成り立つ
この証明では 3 までしか調べていない.n=4, 5, 6, … の場合について何も証明されていないことが分かる.

この説明にもある通り、n=4 の場合については何も証明されていません。これだと、実は n=4 の場合に命題が成り立たないかもしれません(実際には成り立ちますが、成り立たないとも成り立つとも証明できていません)。

そこで、n=k として考えます。記事では n=k を考える場合の間違った例が紹介されています。

n=k のとき,
1 + 3 + 5 + … + (2k - 1) = k2
n=k+1 のとき
1 + 3 + 5 + … + (2k + 1) = (k + 1)2

これでは命題 "1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2" に n=k もしくは n=k+1 を代入しただけであり、何も証明していません。

そこで、数学的帰納法の基本的な形を振り返ります。数学的帰納法による証明で必要な2つの証明のうち、
(b) n=k のときに Q が成立すると仮定すると、n=k+1 のときにも Q が成立することを証明する。
というものがありました。この文章を注意深く読むと、「n=k のときに Q が成立すると仮定」して、そこから「n=k+1 のときにも Q が成立する」ことを証明するのだとわかります。つまり、n=k と仮定したときの結果を使って、n=k+1 のとき Q が成立することを証明せよ、ということです。これが「ドミノ倒し」です。

先の問題に対する証明の例であれば、

1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2 …(1)

(II) n=kのとき,(1)が成り立つと仮定すると
1 + 3 + 5 + … + (2k - 1) = k2 …(2)
(2)の両辺に 2k+1 を足すと
1 + 3 + 5 + … + (2k - 1) + (2k + 1) = k2 + 2k + 1 = (k + 1)2 …(3)
(3)は n=k+1 のときも成立することを示している.
※引用の際、一部省略しています

となります。ここで重要なのは「(2)の両辺に 2k+1 を足した」ことではなく、「n=k と仮定した結果である(2)から、n=k+1 の場合である(3)を導いた」ということです。

ただ、この証明だけでは不十分です。ここではあくまで(b)を証明しただけであり、「n=k のときに Q が成立すると仮定」したままです。仮定を落とさなければ全体を証明できません。

そこで、数学的帰納法を構成するもう一つの証明である、
(a) n=1 のときに Q が成立することを証明する。
が必要となります。

1 + 3 + 5 + … + (2n - 1) = n2 …(1)
(I) n=1 のとき,左辺 = 1,右辺 = 12 = 1
だから,(1)は成り立つ.
※引用の際、一部省略しています

n=1 のときに Q が成立することを証明しました。つまり、(b)の仮定である n=k=1 のときに Q が成立すると証明できたということです。ということは、(b)より n=k+1=2 のときにも Q が成立すると証明できます。
n=2 として Q が成立すると証明できたのだから、(b)より n=3 のときも Q が成立すると証明できます…これを繰り返せばすべての自然数 n で Q が成立することを証明できます。

つまり、(a)の証明は「ドミノ倒し」の最初のドミノ牌なのです。これが倒れれば次のドミノ牌も倒れることが(b)の証明からいえます。数学的帰納法はこの繰り返しにより証明しています。

このエントリで取り上げた問題の証明例と詳しい解説は引用元の記事を参照ください。
http://www.geisya.or.jp/~mwm48961/kou2/inductive_method1.htm