ProjectLibreでタスクのスケジュールに関する要素(リソース数/単位数/期間/作業時間)を変更した時の挙動についてまとめます。
前提
動作確認環境
動作確認に使用した環境は以下の通りです。
ProjectLibre version 1.6.2
タスクの種類について
日本語表示ではタスクの種類で空欄表記となるものがあるかもしれません(おそらくProjectLibreのバグです)。英語表示では"Fixed Units"と表記されています。これに倣い、このエントリでは「固定単位数」と表記します。
また、タスクの種類変更で「無効な選択」エラーの出る場合があります。この場合は英語表示に切り替えてください。
【参考】
ProjectLibre のタスクの種類変更で「無効な選択」エラー発生とその回避策 - ぱと隊長日誌
「残存作業時間を優先」設定について
別エントリにまとめましたので、ご参照下さい。
「残存作業時間を優先」設定を理解する - ぱと隊長日誌
計算ルール
計算式
リソースを割り当てたタスクのスケジュールは以下の計算式で決まります。
期間 = 作業時間 / 単位数
この計算式において、単位数はタスクに割り当てたリソース(群)の一日当たりの作業時間と考えてください。
固定要素
ユーザが「単位数」「期間」「作業時間」のいずれかを変更した場合、ProjectLibreは残りの2要素のいずれかを変更する必要があります。この時、固定する要素をタスクの種類で指定します。
タスクの種類は「固定単位数」「固定期間」「固定作業時間」があります。デフォルトでは「固定単位数」が設定されています。
固定要素を変更した場合、「期間」(「固定期間」以外の場合)もしくは「作業時間」(「固定期間」の場合)が変更されます。
タスクの種類と[リソース数/単位数/期間/作業時間]変更で再計算される項目
タスクの種類 | リソース数変更(※1) | 単位数変更(※2) | 期間変更 | 作業時間変更 |
---|---|---|---|---|
固定期間 [残存作業時間を優先]ON |
単位数 | 作業時間 | 作業時間 | 単位数 |
固定期間 [残存作業時間を優先]OFF |
作業時間 | 作業時間 | 作業時間 | 単位数 |
固定単位数 [残存作業時間を優先]ON |
期間 | 期間 | 作業時間 | 期間 |
固定単位数 [残存作業時間を優先]OFF |
作業時間 | 期間 | 作業時間 | 期間 |
固定作業時間 | 期間 | 期間 | 単位数 | 期間 |
※1 リソース数変更:タスクにアサインするリソースを追加もしくは削除する。
※2 単位数変更:タスクにアサイン済みのリソースの単位数を変更する。
お勧め設定
固定要素および「残存作業時間を優先」はタスク毎に設定可能です。
プロジェクト内では設定をなるべく統一したほうがわかりやすいと思います。
「残存作業時間を優先」設定
デフォルトではONですが、OFFにすることをお勧めします。想定していない計算(挙動)となりやすいためです。
固定要素の選び方
プロジェクトにおいて最重視される要素(つまり、設定を手動で行い、自動では変化させたくない項目)を選びます。
デフォルトでは「単位数固定」ですが、「期間固定」を選んだほうが扱いやすいです。実際にプロジェクトを計画するとき、タスクの期間を定義し、その期間を実現するためのアサインを考える、ということが多いためです。
更新情報
2016/05/05
「残存作業時間を優先」設定を理解する - ぱと隊長日誌
このエントリをまとめる過程で得られた知見を基に、不正確であったり説明の足りなかった箇所を更新しました。