先日、こんなツイートを見かけました。
オタクというか、物事にマニアックな人というのは、興味の対象をこんな風に掘って行くのではないかと思っていて。最初はたしかに興味分野を掘り始めるのだけど、掘ってくうちに興味の対象外分野まで否応無く掘り返してしまう、掘り返さざるを得なくなるというイメージ。 pic.twitter.com/bnByaMEv5O
— ゆうき まさみ (@masyuuki) 2018年11月6日
これは自分の経験からもいえ、かつチームメンバーにも繰り返し話していることそのものでした。そこで、この機会にまとめておくことにします。
私は茶道を学んでいたことがあります。茶道の稽古のメインは作法や点て方ですが、毎回の稽古は床の間にある掛物(掛け軸)と花を拝見するところから始まりました。そして、掛け軸の言葉の意味や花について説明がありました。
掛け軸は書道、花は華道へとつながります。つまり、茶道を究めようとすれば、書道と華道についての理解も必要になるのですよ、という教えでした。
私はITエンジニアです。そこで例えるのであれば、データベースを究めようと思うと、データベース製品に関する知識・経験だけでなく、CPU・メモリ・ストレージ・ネットワーク・OS・アプリケーションなど、様々なレイヤーの知識と経験が求められます。
つまり、どんな分野であっても、何かを究めるには周辺分野に関する理解が必要になるということです。
ある分野を究めていけば、自分の持っている知識や経験だけでは進めなくなる地点があります。そして、自分に何が足りないのかを気づく瞬間があります。それはもしかしたら自分にとって興味のない分野かもしれません。そこに時間を割くことは回り道に見えるかもしれません。でも、それに取り組むことが、さらに進むために必要なことなのです。
〇(I,T,Π...)型人材とよく例えられますが、今回のケースでいえばY型人材といえるのではないでしょうか。Yの下半分の棒は究めようとしている分野であり、Yの上半分はそれを支える土台です。
土台をイメージするのであれば、逆Yと例えたほうがよいかもしれません。しっかりとした土台があってこそ、高みを目指すことができます。
何かを深く追求すれば、いつか壁にぶつかります。それは自分に足りないところがあるからかもしれません。そこに気が付いたのであれば、それを補う努力をすることが必要です。今の自分の範囲内で済まそうとしても、またすぐに壁にぶつかることになります。
土台を築くことは単なる回り道ではありません。そこで新たな発見があるかもしれないし、別のことを究める土台にもなりえます。そしてなにより、自分の幅が広がることになります。
自分が興味を持ったことにとことん打ち込むことで、必然的に周辺知識や経験を身につける。それはY型人材の戦略といえるのではないでしょうか。