はじめに
Developers Summit 2019 Summer (Developers Summit 2019 Summer)
今後の生き方についてサラリーマンエンジニアが人生半ばにして考えてみた
スピーカー:上野 淳 [ディライトワークス]
の聴講メモです。
メモは口頭説明を中心にまとめています。資料を併せてご参照ください。
Twitterのつぶやきがtogetterでまとめられています。併せてご参照ください。
デブサミ2019夏【A-2】今後の生き方についてサラリーマンエンジニアが人生半ばにして考えてみた #devsumiA #devsumi - Togetter
【参考】としている個所は私が挿入しています(補足や参考資料など)。登壇者の講演内容ではありませんので、その旨ご了承ください。
聴講メモ
環境に流されるエンジニアになってはならない。
ただし、本講演は転職のすすめではない。
会場で参加者アンケート。
新卒からずっと同じ会社なのは6割程度。
ゲーム会社所属は5%程度。
デブサミ2019夏の事前アンケートだと参加者の平均年齢は40歳ぐらい。
デブサミ2019夏のサイトトップに『不確実性に向き合えるソフトウェアとエンジニア組織を作っていくための知見が得られる場を目指します。』とある。不確実なことが多いのはゲーム開発でも同様。
組織を作るのはマネジメントの役割だと思われることが多い。だが、我々エンジニアがどう思うかで変わっていくのではないか。
ゲーム端末の高性能化で、今までできなかったことが何でもできてしまう。
エンジニアとしてはやりたいことがやれる反面、やらなければいけないことが増えた。
開発チームの巨大化の実例として、Fate/Grand Order だと開発メンバーが100名を超えている。
スマホでフェイト!|Fate/Grand Order 公式サイト
役割分担の細分化が進んでいる。この流れはデザイナーが先行し、エンジニアもそうなりつつある。グラフィック・ネットワーク・セキュリティ・QA等々。
ノウハウには専門領域がある。共有するのは簡単ではない。
これに対する解決策として、外に転がっているノウハウを拾いに行く。ただググるのではなく、実際に会いに行き、関心を持っている背景も含めて話を聞くと良いのではないか。
昔であればプロジェクトを経験する中でノウハウを覚えた。だが、今は開発期間が長くなり、経験からノウハウを得るための繰り返しがやりにくくなった。
これに対する解決策として、外に転がっている体験談を聞きに行く。ただググるだけでなく、実際に体験した方に自分の疑問をぶつけることがおすすめ。そして、自分の疑問に対する回答をもらう。
ゲームを創るとは面白さを追求すること。理論ではなく試行錯誤が必要になる。この試行錯誤の時間を作るためにゲームエンジンを採用している。
60歳まで働くとして残り13年。マネージャーの引き継ぎに3年かかるとし、開発期間3年とすると、あと3本ほどしかゲームを作れない!
会場の平均年齢からもいえるように、エンジニア35歳限界説は無いと立証できた。だが、このままで60歳までいけるだろうか?(まま60問題)
そこで自分の「やりたいこと」と「やれること」を棚卸ししてみた。
林先生がいっていたように、仕事をするうえでの「やりたいこと」と「やれること」は違う。
やれることを軸に考えることが大切なのでは。
【参考】
林修「大切なのは、やりたいことよりできること」 | 語録.com
変化することはおっくう。でも変わらないことを否定してみる。
このままじゃない60歳を考える。
前提を変えるために環境を変えた。
経験が邪魔をする。
環境が変わったにも関わらず、過去の経験に引きずられてしまうことがある。
不安が邪魔をする。
でも不安で良いのではないか。不安と向き合い、それを解消する姿勢があれば良い。目をそらしてはダメ。不確実な未来に目を向ける。
「覚悟」とは失敗しても自分のせいだと受け入れる覚悟ではないか。
無意識的選択は危険。選択した意識が無いまま時間が過ぎてしまい、気がついたときには取り返しがつかなくなっている。
自分が望んだ環境に自分がいるのか、ということは考えないといけない。
不安でも良い。心理的安全性でいわれるような失敗しても安全な環境があっても、チャレンジしないと何も変わらない。
何事も経験だ。経験は美化されたり環境が変わって通用しないこともある。でも、自分の自信になる面もある。
自分に揺さぶりをかけることで、想定外の結論に達する。これが成長なのではないか。
失敗しても「てへぺろ」ですむさ。
エンジニアは建築家のようなもの。自分で環境を創り、そこに建築物を建てる。
環境もまたエンジニアリングの範疇なのだ。
デブサミ2032夏(注:年にご注意!)では本講演の続きをしたい。今回の講演の参加者には翔泳社から優先パスを発行してもらうので、そこで成果をぜひ伝えたい。
※もちろんこれはジョークです。