概要
ソースコードからインストールした PostgreSQL をマイナーアップグレードするには、新規インストールと同じ手順を踏みます。
詳細
PostgreSQL のマイナーリリースの間には互換性があります。
マイナーリリースでは内部格納書式が変わることは決してありませんので、同じメジャーバージョンにおける前後のマイナーリリースとの間で常に互換性があります。 例えばバージョン10.1はバージョン10.0やバージョン10.6と互換性があります。 同様に、例えば9.5.3は9.5.0、9.5.1、9.5.6と互換性があります。 互換性があるバージョンとの間で更新するためには、サーバを停止させ、実行ファイルを置き換え、サーバを再起動させるだけです。 データディレクトリはまったく変更されません。 マイナーリリースのアップグレードは簡単です。
18.6. PostgreSQLクラスタのアップグレード処理
この説明に『マイナーリリースのアップグレードは簡単です』とあるものの、ソースコードからインストールした PostgreSQL のアップグレード手順は示されていません。
ですが、実際に簡単です。『サーバを停止させ、実行ファイルを置き換え、サーバを再起動させるだけ』です。実行ファイル置き換えは新規インストール時と同じ手順、つまり、以下に示すマニュアルに従って実行するだけです(リンク先は PostgreSQL 12 です)。
16.3. ソースの入手
16.4. インストール手順
PostgreSQL 12.1 をインストールした後、12.6 へアップグレードする例を示します。
/root/postgresql-12.X にソースコードが展開されているものとします。
◆ PostgreSQL 12.1 のインストール # cd /root/postgresql-12.1 # ./configure # make # make install ◆ PostgreSQL 12.6 へのアップグレード # cd /root/postgresql-12.6 # ./configure # make # make install
実証実験で確認したことを挙げておきます。環境は Linux, PostgreSQL 12 です。
- PostgreSQL 12.1 → 12.6 へのアップグレードと 12.6 のクリーンインストールでインストール結果に差異が無いこと。
- PostgreSQL 12.6 → 12.1 へのダウングレードも可能なこと。
- インストール先に存在するデータディレクトリには影響しないこと。
もし慎重を期すのであれば、メジャーアップグレードの手順が参考になります。
18.6. PostgreSQLクラスタのアップグレード処理